【誕生秘話】
(その1)決算書から何も読めなかった私の苦悩
私が、営業部門から、管理部門に配属替えになったとき、決算書から倒産リスクを見抜くことなど、
まったくできませんでした。
それまでに、会社の社員研修や、通信教育で財務分析を学びましたが、流動比率などの財務分析の公式やら、計算などはしましたが、
それと倒産リスクとの関係のイメージがつかめず、取引先の決算書を見ても、何をどう見ればいいのかもさっぱりわかりませんでした。
しかし、管理部門長のポストに座らされた時には、もう、そんな泣き言は言っておれません。
次々と取引与信額、取引条件の承認決済を求める稟議書が机の上に積みあがっていきます。
そこに自分が見解を書いて、さらに上の部門長へ稟議書を上程するのですが、
次々と「見直したまえ!」「何を見ている!この危険が分からないのか!」と付箋がついてブーメランのように戻ってきます。
管理部門や審査部門のベテランは、自分では分析ノウハウを持っていますが、系統だてて教えてくれる人は誰もいませんでした。
各審査マンは、まるで職人でした。審査分析のベテランに尋ねても、「ノウハウは、自分で勉強してください!」と言われる始末。
まるで、料理人の世界でした。
泣きたくなるような辛い日々が続きました。
(その2)<570社の倒産会社の決算書を徹底的に見直したら、見えた!>
私は、土日に出社して、過去の取引先で、倒産した事例を調べてみることにしました。
売掛金がありながら、倒産されてしまい、当社が損害を被った取引先の決算書などを、当時の稟議書を読みながら見直してみました。
先輩の審査マンや決裁者が、なぜ、その倒産を見抜けなかったのか? なぜ、回収不能の損害を被ったのか?
その危険の兆候は、決算書のどこを見れば、見抜けたのか?
そういった事例を570社分見終わったとき、何かが見えてきました。
それは、まるで、初めて自転車に乗れた時のような、コツでした。 決算書から危険を見抜くポイントが見えてきたのです。
そのコツをつかめた時、私の毎日が変わりました。
的確な分析コメントを付けて回す稟議書は、どんどんと承認決裁されていきました。
そして、隠れたリスクを見抜けたとき、営業部門担当者からも喜んでもらえるようになったのです。
(その3)<営業部スタッフの教育を誰がする?>
でも、問題は、営業部門担当や、部門長が、自分の力で決算書からリスクを感じ取れないという状態が、ずーーと続いていたことでした。
沢山の稟議書が営業部から管理部へ回ってきますが、あまりにも稚拙な見解で、上層部へ回付することが出来ず、差し戻すしかないことが多く、その時間と労力のロスは、大変なもので、営業的見地からすれば、ものすごい経済的ロスになっていると私は感じていました。
私自身、そんな稚拙な稟議書の添削やら、修正、教示という無駄な時間と労力の浪費にほとほと疲れていたというのが実情でした。
管理部門から指摘されても、その問題点の意味が分からないという営業スタッフも沢山いました。
かといって、忙しい営業スタッフに、財務分析を何か月もかけてまた勉強させることや、、私がしたような努力をする時間的余裕はありません。
そして、彼らに、わかりやすく教えてあげれる人も、教材もなかったのです。
管理部門に稟議書を上げる前に、営業部門内で、リスクを予見し、必要な予防措置まで営業スタッフ自身が考えるようになれば、与信稟議などはもっと早く承認決裁され、営業の意思決定スピードはもっと上がり、
また、倒産による売掛金回収不能という最悪の損失も未然に防げるメリットがありました。
人事部が、社員研修として、多額の経費をかけて専門のセミナー講師を呼んで、財務分析徹底コースなどを社員に受講させていましたが、
結果から言うと、何にも身についていなかったのです。 その一人が、以前の私でもありました。
何がいけなかったのでしょうか?
子供が数学が苦手になったとしたら、それは子供の頭が悪いのではなくて、「教える先生が下手くそだったのだ!」と私は思っています。
つまり、決算書の読み方を教える上手なプロがいないってことでした。
(その4)<じゃあ、この俺が、わかりやすいセミナー研修をしてやろう!>
そこで、私は、自分のつかんだコツとツボを、忙しい営業スタッフ達に、わかりやすく、腑に落ちて、しかも、速攻で身に着けさせるセミナーコンテンツを練ることに専念しました。
それは、私自身の仕事が楽になることにも、つながることでした。 営業部スタッフが、管理部門や経営トップの視点で、取引の安全性と、最善最良の取引条件を自力で考え、自力で取引先と交渉できるようになれば、
当然、彼らが書きあげる稟議書は、上層部や経営管理者にも十分に納得できる高度な内容になっているはずでしたから。
そうなると、わたしの仕事は簡単ですね。
私は、稟議書にこう加筆するだけです。
「営業見解を可と思料する。」
(その5)<分かりやすいセミナーにするために>
私は、自分が決算書を10分見ただけで、大体のリスクを読み取るコツを身に着けていました。
そのコツを6つの視点に分類し、それぞれを、できるだけ日常の事例に置き換えて、イメージが湧きやすい説明にすることに苦心しました。
パワーポイントの使い方、見せ方、興味を引く話題を盛り込むことに力を入れました。(DVDの題名は5つのポイントになっていますが、実は、6つの重要ポイントをマスターする内容になっています。)
「世界一わかりやすい、イメージでつかめる、決算書の読み方セミナー」にしてやろうと決心しました。
私は、学生時代から心理学や脳科学に興味があり、米国NLPや、心理カウンセラーの資格、速読術、記憶術、コーチングなどのスクールにも通っており、
すでにセミナーだけで500万円以上をつぎ込んでいました。
NLP、心理学、コーチングで学んだことで、脳の上手い扱い方を知っていた私は、その手法をセミナーの講義にちりばめ、受講者がイメージとしてつかみやすく、腑に落ちる理解ができる講義コンテンツに仕上げることに成功しました。
そのコンテンツができたとき、私はある営業部門長の理解を得て、そこのスタッフ達に、この研修をしてみることにしました。
「金曜日の夜90分だけ、勉強したい人は集まれ!
4回で君も決算書から危険を見抜く6つのポイントを伝授する!
簿記を知らなくても大丈夫!」
という案内を、関係者に伝えてもらいました。
(その6)<大好評! 行列ができる研修になった!>
12人が入れる小さな会議室での初めての開催。
営業マンや、事務職の女子社員など、満席でした。
そして、終わったとき、彼らから出た言葉は、、、
「今日はじめて、意味が分かりました!」
「感覚的にわかりました!」
「今日、来てなかった人にも、参加することを勧めたいです!」
「今度はいつ、やるんですか? 二期生の募集はどうします?」
でした。
手ごたえを感じました。
そうして、この勉強会は、5期生まで続きました。
(その7)<介護の時間を確保するため退社を決意>
私は、この講義に自信を持ち、土日に、自主開催で公民館で一般の希望者向けに、「決算書から危険を見抜くポイント」セミナーを開催しました。
そして、同じように、参加者から100%以上の満足度という回答を次々に頂き、その活動に人生を意義を感じるようになりました。
ちょうどそのころ80歳を超えた母の介護の問題もあり、フルタイムで会社勤めをすることを断念する状況が近づいたことから、会社を退職することにしました。
セミナー講師であれば、毎日出勤する必要もなく、時間が自由になるというメリットがありました。
そういうことから辞表を出したのですが、その時、私の社内セミナーの第6期に入ることを期待していた社員たちから、
「まだやめないで下さい。」と泣きつかれるという場面もありました。
(その8)<この講義を受けたかったのに、、という人のために>
そういった社員や、遠方に住んでいて参加するのが無理な人、忙しい人のために、
このセミナーをビデオで録画してDVD教材にすることを思いつきました。
知り合いの動画撮影編集のプロに頼んで、撮影をしていただきました。
約6時間近いセミナーでしたが、そのグループワークの部分をカットしたり、板書の読みにくいところを、画面に加筆や編集を加えて、わかりやすいDVD教材に仕上げました。5か月ほどかかりました。
そして、H26年8月下旬に、やっと販売を開始することが出来ました。
(その9)<体験者の声>
このDVDを買ってくださった遠方の方々から、「イメージが湧いた!」「難しい会計用語を出来るだけ使わないで、日常の感覚で決算書が理解できた!」
「分析の感覚、コツ見たいのものが見えました!」との声を頂いています。
私が苦労して体得した6つのポイント【コツ】で、一人でも多くの方の人生が、豊かになり、さらに良い人生になったとしたら、私がこのセミナーを企画した意義、DVD教材を作った意義があったと感じ、
これこそが生きがいになると思っています。
(DVDの題名は5つのポイントになっていますが、実は、6つの重要ポイントをマスターする内容になっています。)
私の話を最期まで聞いて頂けたことをうれしく思います。
ありがとうございます。
ハリー・ヨシダ
世界一わかりやすい、イメージでつかめる決算書の読み方セミナー講師